
ここは誰の空さんの”ルシアの夢想”の感想記事です。
未練の、その先へ
概要
いつか勇者となる時まで
あなたが目を覚ますと眼前には一人の少女が居た。
あなたを主様と呼ぶその少女はルシアと名乗る。記憶の一切を喪っていたあなたにルシアは「魔王を殺してください」とだけお願いをし、この世界で戦ってゆく方法を教えてくれた。
遡ること数百年前。殺戮の限りを尽くした魔王という絶対的な存在は、遂には人類の文明を破壊し、動植物にすら影響を及ぼすほどに世界を歪めてしまった。
歪んだ生命が跋扈する中で、世界はある種の落ち着きを取り戻していたが、今もなお魔王は確かに頂点の存在として君臨しているとルシアは断言する。
あなたは従者ルシアの言われるがままに魔王を殺すための力を付けていく。
──自分が何者であるかも思い出せずに。
本作「ルシアの夢想」は勇者が魔王を倒すまでの物語を描いたゲームです。
独自のパズルゲームのような戦闘と透き通った雰囲気の荒廃した世界感が特徴的です。
こちらのゲームですが実はおすすめされたのがきっかけでした。本作は5章立てとなり体験版で4章の終わりまでプレイすることができます。
開始早々漂ってくる只者ではないシナリオの雰囲気にすっかりのめり込んでしまった私は体験版1章を終えると同時に製品版を購入してしまいました。
BGMのチョイスが妙絶で魔王がすべてを滅ぼした後の静かではあるが生命の息吹を感じるような空気や、主人公とルシアのやり取りの裏で流れる落ち着いたメロディが心地よかったです。聞いたことのない楽曲ばかりだったのもあったのでしょうか。
魔王という強すぎた存在
本作はイベント会話と戦闘を繰り返しながらあなたが魔王と戦うための力を付けていくことになります。
ルシアや途中で出会う人類の生き残りのリタとの会話で魔王をはじめとした世界観の一端を知ることになります。
強力な意志を奮い立たせ魔王に挑んでいった”勇者”と呼ぶべき者たちがいましたが、その誰もが魔王に敵わず散っていった悲しい事実が知らされます。
あなたの修行では魔王の影響で命の形が変質した動植物のモンスター以外に、時として魔王に立ち向かった者たちの未練が立ちはだかります。その意志の強さ故に未練という形で世界に留まっている彼らの想いに触れ、あなたは決意を新たにしていくことでしょう。
戦闘システム
結構見慣れないバトル形式なので順応するのに少し時間がかかりました。
こちらが戦闘画面なのですが手前に5つの数字が書かれたボックスがあります。これ1つ1つが攻撃アクションになります。
▲、■、▼などが付いていますがこれが攻撃ポジションです。これが画面右のRangeと書かれた図のNEXTと書かれたバーと連動して▲なら上に移動しながら攻撃、▼なら下に移動しながら攻撃、■ならその場で攻撃という風に動きます。
これを利用して敵の攻撃を避けながら戦っていくのが基本です。
他にもエンチャントやアシストゲージの概念があり、パズルを解いていくような感覚の戦闘で結構面白いですね。
やらないと分からないので気になる方は体験版を触ってみるのがいいと思います。
またゲームを進めるとあなたの経験やイベントに応じた「心装」を入手します。想いが装備品となったようなもので戦闘に影響するので忘れずにセットしましょう。
エロシーン
ぶっちゃけ本作は明らかにシナリオで勝負をしているゲームだと思うのでエッチはほぼ味付け程度だと思います。
ルシアが主導権を握るようなシーンが多いのは主人公が記憶喪失だからでしょうかね。
ゲームをクリアするとタイトル画面から遷移する回想ですべて確認することができます。
エロシーンだけでなく、エンディングが会話選択肢で変化するシステムをカバーするために通常の会話シーンも回想できるようになっています。これが非常にありがたいです。
貧乳でもパイズリは可能
騎乗位
攻略
ゲーム同梱の攻略テキストにバトルのコツやラスボスの攻略法が書かれています。
ネタバレ回避のため5章最後の戦いは攻略テキストに倣いラスボスと表記します。
バトルの攻撃コマンドは▲▼■■■などを基本とした中央に戻れる組み合わせを持ち込みまずは敵がどのような攻撃をしてくるのか観察することから始まります。上下移動を強要してくるタイプなら▲▼を増やすエンチャントで対応。パリィできる攻撃が多いならパリィをエンチャントするなど撤退を前提に様子を見ることが重要です。
1章
チュートリアルステージ。エンチャントも無いので単純な戦闘とターンエンドの使い方など基本を学ぶ
敗者
アシストのチュートリアル
2章
解放される心装
- 心装「勇者の烙印」
- 心装「心の強さ」
- 心装「星に手は届く」
- 心装「三日月は泣けない」
- 心装「理想は高く」
「勇者の烙印」を装備しエンチャントが使えるようになる
以降はエンチャント前提で対応が求められる敵が出現する
愚者
パリィができる攻撃をしてくるので適度にパリィを付与してから戦いを挑むと良い
後はエンチャントで調整しながら戦う
3章
解放される心装
- 心装「人型の獣」
- 心装「指標」
- 心装「強者の渇欲」
- 心装「過去認知」
復讐者
1つ前の敵で学んだ「パリィ」を置くを活用
パリィ攻撃を行うと次に攻撃を行うまで回避状態に入ります。
画像はパリィ攻撃をそもそもエンチャントしていませんが、パリィが付与された攻撃を行いターンエンドや待機をすると判定が残ったままターンが進み攻撃を回避することができます。これが「置く」です。
4章
解放される心装
- 心装「願いのカタチ」
- 心装「祈りのアリカ」
- 心装「夢のサキ」
- 心装「物語の表紙」
従者
パリィ可能攻撃は無いので前の戦闘の構成は変えた方が良い
英雄開花するまでパズルを頑張る
5章
今まで倒した未練を巡る
欠けた幻想
最初に必ず一撃受けるが無視して戦闘を続ける
パズル自体は素直で簡単
解放される心装
- 心装「貪欲の印」
誰かの味方
パリィ時にのみ攻撃が有効
最初からすべての攻撃にパリィをエンチャントしておいてもよい
解放される心装
- 心装「夢想主義者」
想貫未遂
待機を使用してターン稼ぎをしなければならない場面がある
後はパリィを置く最初の戦闘と感覚は同じ
戦闘中にエンチャントしている猶予はないので最初からパリィは全部付与しておいた方が良い
解放される心装
- 心装「墓の下に連れて」
我翼の雁
パリィ全エンチャントで臨むこと
解放される心装
- 心装「ハートブリンガー」
4人の未練を倒すと最後の戦いへ進むことができる
ラスボス
心装「貪欲の印」を装備してアシストガードを発動できる状態にしていないと勝てない
後半はアシストガード前提で戦うのでアシストゲージを貯められる心装を装備する(攻略テキストでは5章で手に入る心装を全て装備していたのでアシストポイントを得られる心装は必要ないのかもしれない)
ミスはまず出来ない戦いになる
まとめ
- そんなに面白いならやってみようじゃん!
- 独創的なバトルシステム
- 貧乳な従者にパイズリしてもらいたい方
ネタバレに繋がる内容ではゲームの面白さを大幅に損ねるので紹介記事として説明するのはかなりきついのですが、とにかくこのゲームは本当に面白かったです。エロ以外では今年一番、どころか数年で見ても抜きんでています。
制作サークルさんはどうやらフリゲを制作されていたらしく、多くの優秀なシナリオゲーがひしめく界隈出身というのがうなずける秀逸なお話でした。
興味深いのはクリアすると仕様として別ルートのエピソードを含む回想全てが見られる状態になることですね。お話の結末としては大きく3つ、細かく分けるともっとそれ以上に分かれるのですがどれを選びどんな決着になったとしてもそれは「あなた」が自分で考えて導き出した本当の結末だということでしょう。最初に直感で選んだ選択肢が一番正しいんだから。
あなたの”思いの強さと”ルシアの”思いの強さ”が描く魔王と英雄の物語、打ち震えるほどの感動が待っています。
マジでミーリエル以来かもしれませんここまで心を揺さぶられた作品は。体験版は全5章のうち4章まで遊べるのでやってみて。
![]() |
ルシアの夢想 |
サークル | ここは誰の空 |
発売日 | 2022年06月10日 |
価格 | 990円 |
10%OFF (6/19 まで) |
891円 |
コメント一覧 (5)
matimesan
が
しました
matimesan
が
しました
matimesan
が
しました
見事にしてやられた
matimesan
が
しました